ユーザー(顧問先)主導で会計ソフトを選択する時代
クラウド会計の普及によりユーザー主導で会計ソフトを選択する流れが来ているように感じます。
会計ソフトのユーザーは会計事務所とその顧問先である事業者との2者がいますが、この場合のユーザーは事業者側(小規模)という前提で。
管理人は税理士等の専門家ではありませんが、個人事業主として青色申告を2年、法人として5年ほど自力で申告まで行った経験があります。現在は税理士さんにほぼ丸投げの状況ではありますが。
基本的に事業者側としては税理士や会計事務所がなんの会計ソフトを使おうと気にしないでしょう。
申告や経理作業を代行してもらうのが契約する目的ですから。
そもそも事業者側に会計ソフトに関する知識がある方が稀でしょうし。
ですがfreeeやマネーフォワードクラウド会計などの台頭で事業者側もクラウド会計ソフトの存在を認知する機会が増えてきたように感じます。
●新興クラウド各社はマーケティングがうまい
まず、freeeやマネーフォワードクラウドをはじめとするクラウド各社はマーケティング活動にかなり力を入れています。
有名人を起用したテレビCMであったり、ネット上のインフルエンサーとコラボしてのプロモーションであったり。この点は従来の会計ソフト各社のプロモーションとは異なる点でしょう。
クラウドの利便性をうまく伝えることで経理や会計ソフトに対する敷居の高さを下げてくれた功績があると思います。
『クラウド会計なら自分でも使えそうだな』とユーザ
ー側に思ってもらえることは大きなポイントでしょう。
そうなると自分で申告まで行う個人事業主はクラウド会計ソフトを選ぶでしょうし、税理士と契約する事業者もそのクラウド会計ソフトに対応している会計事務所を選ぶと。
●スタートアップ企業は同じスタートアップを応援したがる
また、クラウド会計ソフト各社自体が新興のスタートアップ企業という側面は大きいでしょう。
スタートアップ界隈には同じスタートアップ企業を応援するという文化があると感じています。IT関連の業界では得に顕著。
もちろん新興企業は信用や運用実績という面では老舗企業には負けてしまいます。
ですがクラウド会計が台頭してきてから4~5年経過した現在ならば運用実績も積み重ねられてきたので、信用面でもさほど不利ではなくなってきたかと。
●経理のスタイルを変えるのは面倒くさいという心情
クラウド会計ソフトを導入することによって経理が楽になるとわかっていても、すぐに対応できる事業者は多くないでしょう。
基本的に人は環境の変化を嫌います。今の経理のやり方で成り立っているならば多少非効率でも今のままでいいや・・・というのは個人的にも非常にわかります。
実際にクラウド会計ソフトの導入率の調査結果を見てみても、インストール型が85.5%に対し、クラウド型はわずか14.5%という事実。
(※従業員300人以下の中小企業が対象、2017年8月時のMM総研調べデータ)
会計事務所にとってもクラウド会計ソフトの導入により作業負担が減れば、より多くの顧問先を抱えることが可能になります。
事業者側と会計事務所側の双方にメリットが生じるので、今後もクラウド会計ソフトの導入率が増加する流れは間違いないでしょう。
ですが上記したように会計ソフトはスイッチングコストが高いので、ゆるやかな増加になるとは思いますが。
最近ではfreeeがERPの分野に進出するなど、小規模事業者から中~大規模事業者にターゲットを広げているフェーズです。
ERPは巨大市場ですのでこの分野でどこまで食い込めるか、個人的にも注目しています。
当サイトにも主要16社のクラウド会計ソフトの特徴をまとめたページがありますので、導入時の参考にしてみてください。
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